トンビを利用して焦燥感にアプローチしたら視界が3D対応して問題解決した件。

トライアスロン3種目の中で最もDNFの多いのは、スイムです。

これまでアイアンマンふくめ様々なトライアスロンに出場しましたが、
いまだにスイム前は独特の緊張感があります。

今回は「自分で解決できない内的な焦り」を「外発的な出来事で解消」した事例です。

 

前回に引き続き、初トライアスロンの高松トライアスロンでの出来事です。

 

 

雨の中でスイムスタートしてすぐに、息苦しさと心拍上昇に気づきました。

台風接近の影響で風もあり波があり、クロールをすると数回に一回は手がすっぽ抜ける状況でした。

 

海をしっかりとクロールで泳いだことのないと想像つかないと思います。

これは泳ぐ際に自分の位置と海面との高低差が変化している場合に起こります。

入水した手が最後まで水を掻ききれずにスポッと抜けてしまうんです。

 

これが意外とスイムのペース、感覚を崩されてしまうんです。

スポッと手が水から抜けてるから推進力がね。

この頃、波の高い状態のスイムは未経験でした。

 

息苦しい時は普通の息継ぎではなく、大きく腕を回して息継ぎ時の顔をほぼ上に向けるくらいにし、
滞留時間を大目にして深呼吸するという自己流の対処方法は習得していたがそれでも息苦しい。

 

これに加えて、周囲の選手が急に近寄って来るのを避けつつ、

ヘッドアップをして進行方向を確認しながら進みます。

 

ところがヘッドアップした瞬間に目の前の波が高いタイミングだと、

前方が見えず、苦しさのみどんどん蓄積するという状態でもありました。

 

そのもどかしさに焦り、急に寄ってくる選手に驚き、心拍数はどんどん上昇しています。

心拍数が上昇すると何が起こるか。

息継ぎがうまくいかなくてただでさえ苦しいのが余計に苦しくなっちゃうんです。

ギブアップ寸前。

 

スイムのDNFはスタート直後の数百mの間に起こることが多いんですが、正にその状況でした。

こんな追い込まれた苦しい状況のとき、メンタルトレーニング的なアプローチは果たしてあるのでしょうか。

 

 

この状況に陥っている自分の息苦しさ、DNF寸前の状況を「台風前由来の波」をキーに、

外的要因と内的要因に分けてみましょう。

 

ちなみに、ストレスを与えている原因、対象をストレッサーと呼びます。

ここでは、外的かつ抗いがたいストレッサーは「水面の変化と水の流れ」。

 

【外的要因】

・波の高低差によりクロールのストリームラインとペースが乱される(すっぽ抜ける)

・波の高低差によりヘッドアップしても前方が見えない

・息継ぎ時に波の影響で水を飲んでしまう恐れ

・岸側に流れる波に、自然と流される

・他の選手も流されていて、斜めに泳ぐ人が多い。すぐに進行方向を阻まれてしまう

 

【内的要因】

・練習でできたはずのクロールのリズムが崩れて、いつもと違う感覚に襲われ、焦りを感じている。

・息継ぎの数回に一回は高い波のために水を飲みそうになるので、具体的にどう息継ぎすれば良いのか分からず焦っている。

・ヘッドアップしても前方が確認できず、方向感覚が掴めずに焦りを感じる。

・気がつくと流されており、都度大きく斜めに泳がなければならない状況でスイム関門(制限時間)が気になっている。

・急に進行方向を防ぐ選手に憤りを感じ、周囲にいる全ての選手が敵に見える

 

さて、天気ばかりは自分の力で変えることはできません。

ストレッサーは風による水面変化と流れです。

風と波をコントロールすることはできません。

 

それなら自分自身がストレッサーについて見方、考え方を変えると良いですよね。
(当時の自分にそう教えてあげたい)

波に揉まれている最中はそのコントロールが出来る程の経験値が当時はまだありませんでした。

 

ストレッサーによる外的要因にペースを乱され、その自分をリカバリーしようと焦り、勝手に内的な問題を作り出し、
心拍数が上がりどんどん苦しくなっていく、という負のスパイラルに陥っていました。

 

パニック寸前、DNFは目前です。

 

 

そんな中、苦しい呼吸を少しでも解消する為にかなり上(空)を見るような息継ぎをして喘いでいたところに、

一羽の黒い鳥に続いて、群れが飛んで行くのが見えました。

 

恐らく台風前にどこか風をしのげる場所に避難する為に、群れで移動していたのでしょう。

しばらくすると、上空で旋回を始めました。

 

何だろう?と思いながら息苦しさと焦りの中でふと、

「コイツら、我々(選手)が魚の群れに見えているのではないだろうか」

と思ってふふってなった瞬間に、脳内で下記のことが起こりました。

 

  • 「魚の群れが水面でバシャバシャしている風に見られている、しかも上空を舞う鳥の群れに。マジか」と思った瞬間に笑いがこみ上げた(表情筋が緩むのを水中で感じた=リラクゼーション応用)
  • 彼らには我々がどんな風に見えているんだろう?と思い、「上空の鳥目線」で必死に泳いでいる自分、周囲の選手達、スイム会場全体の映像がよぎった(状況の俯瞰)

 

この出来事により、それまでに感じていた前述の苦しかった点、

 

  1. 練習でできたクロールのリズムが崩れて、いつもと違う感覚に襲われ、焦りを感じている
  2. 息継ぎの数回に一回は高い波のために水を飲みそうになるので、具体的にどう息継ぎすれば良いのか分からず焦っている
  3. ヘッドアップしても前方が確認できず、方向感覚が掴めずに焦りを感じる
  4. 気がつくと流されており、都度大きく斜めに泳がなければならない状況で制限時間が気になっている
  5. 急に進行方向を防ぐ選手に憤りを感じ、周囲全ての選手が敵に見える

 

が一気に脳内でポジティブ変換され、下記のように変化しました。

 

上記1、2、3

  • 手の掻き4回に1回でヘッドアップ&息継ぎのペースが、2回、3回に乱れ、顔を上げるタイミングがまったくズレていること気づき、正しいリズムに修正した。

 

4については

  • 波が高くヘッドアップが中途半端だったので前方が確認できないのはやむを得ない。
  • 前方以外にも位置確認できる材料はないか→高松港の岸(コースと平行)とスタート地点から折返しブイまでの色付きロープ距離感を測りながら左右息継ぎ時の視界を使って位置把握
  • 色付きロープに沿って進んでいる選手の近くを泳げば良さそうと気づく

 

5について

  • 鳥目線で俯瞰した瞬間に、「この波の高い厳しいスイムを一緒に泳いでいる仲間」と感じた。
  • よく見たらみんな苦しそうだし、悪気があって急に進路変更して私を邪魔しているわけではない。
  • 周囲の選手苦しそうだけどもう少しリラックスして楽しんでほしいと感じた。

 

こんな形で偶然にも鳥の群れが飛んできてくれたおかげでペースを取り戻し、無事スイムアップ(ゴール)したわけですが、

これはメンタルトレーニング的には

「偶発的な外的要因を利用し、ストレッサーの存在に起因するネガティブな事象と感覚を、自律で脳内変換してポジティブ要因にできた」

といえるでしょう。

 

厳しい状況の中、自力でポジティブ要因を生み出すことができなければ、
自分の周りにある事象を活用、きっかけにする(利用)のも有効な手段です。

当時の動画があったのでリンクを貼ります。とても懐かしい。
(今これ見るとそれほど波高くないかな…苦笑)

ちなみに3分過ぎから写るバイクのカーブのところ、雨がすごいですがここでスピード出しすぎで大コケしたのも今となっては良い思い出です。

 

 

外的要因に左右されずに自分の能力をしっかりと発揮するための物事のとらえ方。

ストレッサーに影響されず利用し、自己コントロールを保つための思考。

ここ一番の大事な場面で実力を発揮するために、自分が「どんな場面」で「どんな考え方をするのか」を理解しておくのは

スポーツやトレーニング、ビジネスをしっかりと自分のペースで実施していくのに役立ちます。

 

※  ※  ※

 

大事な場面で自分をコントロールするための「精神の安定・集中」能力。

モチベーションを構成する「忍耐力」「闘争心」「自己実現意欲」「勝利意欲」

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第二期モニター募集は内容を一新して12/21(金)7:30正式エントリー開始予定です(募集記事が公開されます)。

 

現在、第二期モニター先行受付中です。
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(お知らせは12/14予定です)

 

前回募集した第1期モニターサービス概要(募集終了)はこちらをご参照ください。(サービス仕様、価格は変更する可能性があります)

 

以上、「トンビを利用して焦燥感にアプローチしたら視界が3D対応して問題解決した件。」でした。

 

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